2023年6月23日(金)

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「小津安二郎」生誕120年

”観たまま聴いたまま気の向くまま”
今年は小津安二郎監督の生誕120年とのこと。ラックにありました『晩春』『東京物語』。
『晩春』は1949年公開。
舞台は鎌倉。劇中に銀座に買い物に行く場面がありますが、和光ビルが映し出されて・・
あれ?東京は空襲で焼け野原のはずではと思いきや東京駅や銀座は空襲がなかったのですね。鎌倉も空襲がなかったのでこの映画が撮れたのでしょう。
物語は、妻を早くして無くした大学教授の父(笠 智衆)と27歳になってもそんな父親を一人残して、嫁に行くきにはなれない娘(原 節子)の親子愛を中心に、二人を取り巻く人々の人間模様を描いた作品。
何気ない日常を淡々と撮って、どこにでもある物語をフィルムに焼き付けた監督の力量に感心させられます。この映画は原 節子の魅力と笠 智衆の渋い演技に支えられた傑作です。
現代のホームドラマの原型でしょう。
敗戦から三年でこんな映画を生み出したことに只々驚くばかりです。